2025.8.25(月)「核心 患者を救うのは消費税だ_病院再生、医療費に課税を」日経新聞 朝刊

  • コロナ禍から2年あまり。患者の受療行動がコロナ前の状況に復したにもかかわらず医療機関の経営悪化が目立ちだした。
    危機に当面しているのは開業医の診療所よりも病院が圧倒的に多い。
  • より深刻なのは、慢性期医療を提供する「療養型病院」よりも急性期医療を手がける「一般病院」だ。
  • 今年1~6月期に経営破綻した病院は21。上期としてはリーマン・ショック後の09年以来の多さだったことが東京商工リサーチの集計でわかった。
  • 要因は大きく2つ。第一はコロナ渦中に大盤振る舞いいた医療機関への補助金が途切れた。第二は物件費や医療職の人件費の上昇に、公定価格である診療報酬を元手とする収入が追いつかない。
  • じつは、診療報酬には建物や設備を更新してサービスを充実させようとする病院の苦境に追い打ちをかける仕組みが内包されている。「消費税非課税」という制度上の不備だ。
  • 病棟を建替えたり新鋭の医療機器を購入したりする際は消費税を払う。しかし、医療サービスの対価である診療報酬本体には消費税がかかっていない。
  • 原則3割の医療費負担を払う患者と7割を受けもつ健康保険という最終消費者に、ゼネコンや医療機器メーカーに払った消費税を転嫁できない。持ち出しだ。
  • ことを複雑にしているのは「消費税導入時や増税時に診療報酬を増額した。持ち出しは無いはず」という厚生労働省の説明だ。
  • だが、増額したのは初診・再診料など。外来患者という安定収入があり、設備投資の機会が圧倒的に少ない開業医は潤い、病院は持ち出しになりがちな構造だ。
  • 真に必要な病院が破綻して真っ先に困るのは患者だ。
  • 政界は野党を中心に消費税の廃止・減税論が花盛りだが、患者を救う機能が消費税にあるのも、一面で事実である。

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